【事例紹介】地方老舗旅館のデジタルマーケティングを推進する組織作り – 都市部テレワーカーを活用して-

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労働人口が減少する中で地方の旅館でも人材採用は難しくなってきています。一方でインバウンド需要などもあり旅行者数は増加しています。人材採用の課題のひとつとして、旅館業はサービスを提供するまえにお客様に選んでいただかなければならないため、データを活用するデジタルマーケティングが非常に重要にもかかわらず、担当できる人を見つけることが難しいことがあります。

もちろん、社外の業者に委託するという方法もありますが、ノウハウやナレッジが蓄積されづらいという課題が残ります。
地方旅館では、働き手を見つけるのが難しいと嘆く一方、現在、日本には育児や介護等の兼ね合いで働きたくても働けない女性が約350万人いるといわれており、そのような女性をテレワーカーとして採用し、データを活用するデジタルマーケティングを担当してもらうスキームを作れないかという相談をいただきました。
弊社では、そのようなテレワーカーをマネジメントしてデータ活用のデジタルマーケティングを推進する体制構築とマッチングの支援をさせていただきました。

 

 

 

 

 

▼内容

以下のような大きな3ステップで支援を進めさせていただきました。

1)テレワーカー雇用の理解と準備

新しくテレワーカーを採用するにあたり、社内規則を作ったり、どのように仕事をお願いするか決めたり、どのようにマネジメントしたりしていくかなどを明確にする必要がでてきます。
この段階では、以下のポイントを確認しながら、本当にテレワーカーの採用が自社に最適化を一緒に確認いたします。
– 自社のテレワーカーとアウトソーシングの違いは何であるのか?
– テレワーク制度規程をどう作るか?(行政書士によるサポート含む)
– オンラインシステムとして、どのようなものを整備するか?

2)4つのニーズの明確化

テレワーカーに仕事を依頼するにあたり、テレワーカーに求められるスキルを明確にするとともに、旅館としてどんな準備をしなくてはいけないかも明確にするために、デイナ・ゲイン・ロビンソン/ジェームス・C・ロビンソンの「パフォーマンス・コンサルティング〜人材開発部門は研修提供から成果創造にシフトする〜」を参考に以下4つのニーズを確認します。
ここで大切なのは、事業ニーズ、パフォーマンスニーズをデジタルマーケティングの中で結果としてあらわれるデータと関連づけておくことで、曖昧さを軽減し、認識のズレを防げるようにすることと考えます。

– 事業ニーズ :組織が目指しいている状態
– パフォーマンスニーズ :具体的な職務を遂行する上で必要となる、業務で行うべき行動要件
– トレーニングニーズ :仕事上行うべきことを遂行するために、「学習」しなければならないこと
– 職場環境ニーズ :パフォーマンスニーズを実現するために調整が必要となる、パフォーマーを取り巻く職場環境にあるシステムやプロセスのこと

3)アライアンス契約

上記までで、自社(自旅館)にとってテレワーカー雇用が最適の選択肢であり、ニーズとしてテレワーカーに何が求められおり、他方、自社(自旅館)に何が求められているかが明確になったのちに、実際にテレワーカーを探し、マッチングをはかり、契約を結ぶ段階となります。
この段階で注意しなければならないのは、一般的にテレワーカーは仕事の受け方が流動的に仕事を受ける傾向があるため、いかにして互いにベネフィットをもたらし合い、長期的な関係を築いていけそうか確認し、その点を曖昧にしないことです。ここでは、リード・ホフマン;ベン・カスノーカ;クリス・イェの 「ALLIANCE アライアンス〜人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用〜」を参考に、 「契約期間」 「期待水準」「判断基準」をはっきりさせる対話を双方で行いました。
ここでも、期待水準や判断基準をデジタルマーケティングの中で結果としてあらわれるデータと関連づけておくことで、曖昧さを軽減し、認識のズレを防げるようにしておくことだと考えます。

▼関心を持ってくださった方へ

旅館の働き手の減少は避けられない課題と考えており、その一つの施策としてテレワーカーを活用して旅館の生産性をあげることを目指すという選択肢が機能する旅館もあるかと存じます。上記の4つのニーズの明確化などは、書籍を参考にしながらご自身でもできることもありますので、ご関心ありましたら、まずは第一歩を踏まれることをお勧めいたします。

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